忘れられた物語
「上様は、俺の気が向いた時に寝所に来ればいいと……」
まだ少ししゃくりあげながら、小猫が言う。
葎は、そっと小猫の腕の戒めを解いてやった。
「お前は……大人になる必要がある」
低い声で、そう、葎は言う。
「大人に?」
「そうだ」
『接吻』
『戯言』
『睦夜』
<壱>
<弐>
BL Novel