白百合の如く 1

  リリィ・ビーンズは惑星ナゥディス一の賞金稼ぎだ。
  ナゥディスに棲息する珍獣の捕獲を始め、お尋ね者の拿捕から要人のボディガードまでこなす、何でもござれの名うてのハンターだった。
  艶やかな長い黒髪に、真珠の肌。血のように紅い唇。賞金稼ぎと言われても、容姿だけを見ているとそうとは思えない。
  ザッカリアは噂の女賞金稼ぎを目の前にして、歪めた唇をゆっくりと舐め上げた。
「お前が本物のリリィ・ビーンズかどうかを、どうやって確かめろと言うのだ?」
  リリィは悪意のない笑みを浮かべると、持っていた武器を床へと投げ捨てた。
「あなたが本物の雇い主で、ボクが所属する協会と正式な契約を結んでいるのなら……持っているはずだよ、ボクの遺伝子情報を」
  言いながらリリィは、着ていた服を脱ぎ、床にするりと落とした。
「照合の仕方は、どうするか知っているよね?」
  見る者を一瞬にして虜にしてしまうリリィの流し目に、ザッカリアは内心、ほくそ笑む。荒野の白百合と呼ばれるこの娘を組み敷く自分の姿を思い浮かべると、自然と口元に笑みが浮かんできてならない。父と娘ほどの歳の差のある彼女に自分が今からすることを考えると、ぞくぞくした。
  遺伝子情報の照合の仕方はごく簡単なものだ。雇い主の舌の裏に埋め込んだ特製の照合用チップで、相手の唾液と汗と精液を確認するだけだった。三重のチェックで、雇った人物が本物のハンターかどうかを確かめる仕組みになっていた。
「…では、遠慮なく確認させていただく」
  ザッカリアはそう言い、リリィは黙って彼のほうへと歩み寄った。



「んっ……う…──」
  リリィの唇はザッカリアの唇によって塞がれた。
  荒々しい舌が唇と歯列を割って侵入してくる。ざらざらとした、少しヤニ臭い舌は自由自在にリリィの口中を攻めた。リリィは自分の舌をそっとザッカリアの舌の裏へと忍ばせた。照合用チップに舌が触れた瞬間、ピリッとした痺れにも似た痛みがリリィの舌に走った。
「……確かに、唾液はリリィ・ビーンズのものだが……しかし、他はどうかな?」
  ザッカリアはリリィの唇を軽くついばみ、それからゆっくりと耳を舐め、首筋から喉のほうへと舌を這わせた。
  しばらくして、ざらざらとした男の舌はリリィの白くふくよかな胸の谷間を上下し始めた。
  リリィが戸惑っていると、ザッカリアの舌は白い膨らみの先端についた薄紅の突起を転がし、吸い付き、口に含んでは歯を立てた。
「あっっ……や……あっ、ん…そこ…は……ちがっ……んんっ」
  リリィが白い肌を上気させ、荒い息の下から何とかザッカリアの行為を制止しようとすると、ザッカリアは彼女の手を掴み、自らの股間へと導いてやった。ザッカリアのそこはすでに、固く屹立していた。
「まだあと二つ、チェックしなければならないものがあるのをお忘れか?」
  そう言うとザッカリアはリリィをそっと抱き上げ、隣の寝室へと運んでいく。
  リリィは先程の唇と舌と歯の愛撫だけで、身体の力が抜けてしまっていた。いつもは唾液と汗の照合だけでうまく逃れていたのに、この男は他の男とは違う──頭の中のリリィは、冷静に判断を下している。気を付けなければと思った途端、乱暴にベッドの上に放り出された。
「あっ……」
  ザッカリアはリリィの身体を押さえつけると、逃げることができないように彼女の両腕と片足とをベッドの天蓋を束ねる紐で固定した。
「やめて!  ……ボクをどうする気、ザッカリア」
  リリィが鋭い眼光でザッカリアを凝視すると、彼は優しく微笑んだ。
「どうもしないさ、リリィ・ビーンズ。ただ私は、君がこれから恥ずかしい思いをしないようにと気を遣って、こうしてあげてるんだがね」
  そう言うとザッカリアは、リリィの乳首を摘み上げた。
「痛っ……や…痛い、やめて!」
  ザッカリアはリリィの白い肌に再び舌を這わせ始めた。まず、リリィが痛がっていた乳首を吸い、優しく、宥めるように、尖ってしまった先端を舌でつついた。それから掌を使って二つの胸を揉みしだきながら、下へ、下へと唇を這わせた。
  白い肌に映える黒々とした繁は、綺麗な三角形を作り上げていた。
  ザッカリアはその繁みに顔を埋め、匂いを嗅ぎ、舌で味わった。
「さて、二つ目の照合はどちらかな」
  にやにやと笑って、ザッカリアはリリィを見た。リリィは恥ずかしさで頬が朱色に染まるのを感じていた。
  固定されていないほうのリリィの太股をザッカリアの手が捕らえ、大きく開いた。
  ザッカリアの無骨な手がリリィの繁みの奥に侵入する。ゆっくりと、恥ずかしさでリリィが身悶えするのを待ち構えているかのように。
「綺麗な色だ……」
  ザッカリアが呟く。
「荒野の白百合とはよく言ったものだ」
  言いながら彼の指はリリィのクリトリスを擦り、摘み上げては彼女にくぐもった声を上げさせた。
「もっと声を出していいんだよ、リリィ」
  ザッカリアの指はするりとリリィのヴァギナに下り、びらびらの縁を撫で回す。
「…まだ、濡れてこないか?」
  唇を噛み締め、ぎっと目を閉じるリリィに声をかけたザッカリアは、わざと音を立てて彼女の秘所に唇をつけた。
  ちぅっ……ちゅるっ、ちゅ……くちゅっ……
  リリィはできることなら、両手で耳を覆いたかった。湿った音がリリィの股間から聞こえてくる。足を閉じようとしたが、片足は固定されており、もう片方も男の強い腕にしっかりと捕らえられていた。おまけに、足を閉じようとすると腰がザッカリアのほうへ突き出される形になり、余計に彼の舌がリリィのヴァギナに侵入する結果となってしまった。
「はっ……ん……や…やめっ……」
  リリィが腰をくねらせると、ザッカリアの舌は角度を変えて彼女のヴァギナを犯し続ける。指がクリトリスを擦り上げ、リリィの腰はびくびくと痙攣し、震えた。
「あっ、あっ、ぁ……」
  リリィが首を横に振ると黒い髪が乱れ、ベッドに舞う。
  リリィのヴァギナがザッカリアの舌と指との侵入を許すころには、彼女は潤んだ瞳でザッカリアを愛しそうに眺めていた。
「随分と濡れたね。もう、シーツがびちゃびちゃだ」
  嬉しそうにザッカリアが囁くと、彼女の熱を帯びた割れ目が新たな愛液をじんわりと滲ませた。
「これが、二つ目の照合だ」
  ザッカリアの舌がリリィのヴァギナの奥へと入り込み、くちゃくちゃと蠢く。
  つっ…ぷ……と襞を舌で押し広げ、次から次へと溢れてくる愛液を、音を立てて吸い上げた。
「……あっ……はっ……ああっ、やぁぁ……ん、ああ…ん、んぁ……」
  舌のざらざらとした感覚がリリィの腰を打ち震わせる。両手が自由にならないことも起因して、リリィはいつもより敏感になっていた。
  びくびくと痙攣しながらリリィは快楽の波に身を委ねる。子宮の奥から熱く溶けるような感覚が身体中へと駆け巡り、広がってゆく。
  切れ切れの息の下から、リリィは掠れる声で懇願した。
「……突いて……ザッカリア……も…だめ……入れて…ボクの……中、に──」



  ザッカリアはリリィの顔の上に尻を向けた。リリィの懇願に耳を貸し、彼女の口の中へとペニスを挿入してやったのだ。
  リリィは戸惑いながらもザッカリアの一物にしゃぶりつき、おずおずと舐め始めた。
  ザッカリアはリリィの膣に指を突っ込んだ。一本、二本、三本、四本……。内壁を引っ掻くように指を曲げると、リリィの膝ががくがくと震える。ザッカリアは愛液をたっぷりと滲ませたその部分にさらに舌も挿入した。指と舌とを同時に動かすと、リリィはすすり泣きながら悦んだ。
「……いいぞ…」
  ザッカリアは呟いて、腰を激しく前後させた。リリィの口の中いっぱいに圧迫しているものは白濁した苦みのある汁を先端に滲ませ、それが彼女の喉の奥へと流れ込んでくる。
「んっ…ぅ……」
  リリィが圧迫する苦しみから逃れようと身体を捻った瞬間、熱いものがほとばしり、口の中に広がった。飲みくだせなかった分は、ザッカリアが腰を引くと同時にリリィの顔や胸に飛び散った。
「確かに、君は本物のリリィ・ビーンズだよ」
  ぐったりとベッドに転がるリリィに向かって、ザッカリアは囁いた。
「──それで、あなたの依頼はいったい何なの?」
  シャワーを使わせてもらい、情事の名残をすっかり洗い落としたリリィは、ひりひりする手首をさすりながら尋ねる。先程、ザッカリアに縛られた両手と足首には赤い痕がついていた。リリィの白い肌の中でその部分はやけに目立った。
「人を連れてきてほしい」
  と、ザッカリア。
  ハンター協会から仕事が回ってきた時にある程度の情報は聞かされるが、正式に雇い主から契約の成立を申し渡されるまで詳細は秘密にされるのが普通だった。今回も例外なくそうだ。
「相手は?」
「私の弟だ。ナゥディスの軌道上にある衛星エリシゥにいるはずだ」
「連れて来ればいいのね」
  リリィが確認するように尋ねると、ザッカリアは頷いた。
  何と言うことはない。衛星まで上がって、ザッカリアの弟のナサニオを連れてくればいいだけのことだ。
  リリィは足取りも軽やかにザッカリアの屋敷を後にする。仰々しい割には簡単な仕事だと、口元を綻ばせる。
  人ひとり連れて来るぐらい、どうということはない。
  リリィはエア・クラフトに跨ると、全速力で宇宙港へと飛ばした。



  衛星エリシゥは、上流階級の人間が集うソサエティだ。
  衛星全体が会員制高級クラブになっており、実のところリリィも、衛星エリシゥに足を運ぶのは初めてのことだった。
  きらびやかな衣服で衛星に上がっていく人々を尻目に、リリィはいつもと変わらぬ格好でエリシゥのゲートを潜る。行き先は、一つしかなかった。
  ラブ・セクション──愛の館だ。
  ザッカリアの弟ナサニオは、恋人と共にエリシゥを訪れ、そのまま数年間を過ごしているという。その間、兄弟の両親が相次いで事故で亡くなった。喪が明けて両親の遺産を分配するに当たり、ナサニオの立ち会いが必要となったのだ。
  だが、ザッカリアがいくら連絡を取っても弟は帰ってこない。痺れを切らしたザッカリアはとうとうハンター協会に依頼を打診し、リリィが派遣されてきたという次第だ。
「──ナサニオ・クライゼルという男を捜しているんだけど……」
  ゲートの先、各セクションに続く気の遠くなるほど長いムーヴィングウォークを進みながら、リリィは向こうから来る人々に声をかけてみた。
  人々は笑って答えた。
「多分、ラブ・セクションだろう。我らが麗しの嘆きの女王を悦ばせるため、日夜、饗宴に参加しているはずだよ!」
  ラブ・セクションは、快楽を追求するために用意されたセクションだ。恋人と連れ立ってやってきた金持ちのボンボンなら、そこにいてもおかしくはない。
  リリィはラブ・セクションに入ると、愛の館を探してフロアを回った。
  フロアは、様々なプレイが楽しめるようにいくつもの小さなセクションに別れていた。リリィが最初に出会ったカップルは、ゲートから一番近いところにあるドラッグのフロアに行くと言っていた。
  ドラッグのフロアは、幻想の館と呼ばれていた。
  美しく着飾った人々が仮面をつけ、グループごとに別れて部屋に入って行くのを見て、リリィは様子を探るため、彼らについて部屋に入った。
  全員がテーブルにつくと、催淫剤の入った果実酒のグラスとキセルが配られた。ビロードの厚手のテーブルクロスの上に、贄として選ばれた女性が担ぎ上げられ、目隠しをされる。リリィが見ていると、テーブルについた賓客の手が贄に伸び、贄が着ていたものをあっという間に剥ぎ取ってしまった。
  裸の少女に先に用意されていたキセルを誰かが与えると、彼女は蒸せ込みながらそれを一口、飲んだ。
  男の手が少女の頭を支え持ち、仰向けに寝かせた。
  女が、グラスを贄の腹の上で傾け、果実酒を零す。
  賓客の前で贄は、自身の乳首を摘み上げ、膣口に指を這わせた。
  リリィは賓客の中にナサニオの姿がないのを確かめると、部屋を出た。
  次の部屋では、催淫剤の虜になった賓客たちが思い思いの相手とペアを組み、また四、五人のグループになって、互いに犯し合っていた。
  次々と部屋を辿っていくうちに、リリィは愛の館に足を踏み入れていた。
  最初の部屋では、裸の女性や巨根を露にした男性たちが馬の毛を束ねた刷毛でペアを愛撫していた。彼らは互いの性器を使う代わりに張子を使って絶頂を得ていた。
  次にリリィが入った部屋は、薄暗かった。ソファやベッドがいくつか置いてあり、何人かのグループがそれぞれの場所で愛を交わしていた。
「ナサニオ・クライゼルを知らない?」
  リリィがそれぞれのグループを尋ね歩くと、あちらこちらから手が伸びてきて、彼女の胸や臀部や股間を撫で回した。
「ナサニオにどんな用があるって言うの?」
  誰かが、問いかけた。
  リリィが声のほうへと目を向けると、金髪の女性が均整の取れた裸体を惜しげもなくさらして立っていた。
「ザッカリア・クライゼル氏の依頼で、ボクはここへ来たの」
「あら、そう」
  冷たい声の女は、リリィをじろじろと眺めた。
「あなた、ナサニオ氏を知っているのね?」
  リリィが言うと、女はまあね、と小麦色の肩を軽く竦めた。
「彼ならこっちにいるわ、来て」
  女はそう言ってリリィを別室へと誘う。
  リリィは彼女の先導で、愛の館に足を踏み入れた。
  愛の館でナサニオは、三人の女を交互に犯していた。
  そのすぐ側では、十人ほどの男たちが、四つん這いになった女の尻を犯している。
「しばらく話をできる状態じゃないと思うわよ」
  と、女が言う。
「いいわ、ここで待ってるから」
  リリィがそう答えてソファに座ると、女がぴたりと寄り添うようにして隣に腰を下ろした。
「あなた、名前は?」
  そう言った女の褐色の手は、リリィの手を取り軽く撫でつけた。答える気のないリリィには構わず、彼女は言葉を続ける。
「わたしはラミアス。ナサニオの恋人の一人よ」
  探るような彼女の眼差しをリリィは、正面から受け止めた。ドラッグをやっているのか、激しい渇望の色が眼差しの奥に見え隠れしている。
「待っているあいだに、わたしと…──」
  ラミアスは最後まで言わずにリリィをソファに押し倒した。
  しっとりとした唇がリリィのうなじから胸の膨らみを貪り、性急な手が一枚一枚、服を剥ぎ取っていく。
「……綺麗よ、あなた……嫉妬しちゃうぐらいに………」
  呟き、ラミアスは再びリリィの唇に吸い付いてくる。滑らかな舌が挿入され、次いで唾液がリリィの口中に流し込まれた。無意識のうちにごくりとそれを飲み干すと、喉に焼けるような痛みが走った。媚薬だ。
  ラミアスは、リリィの乳首に舌を絡めながらにやりと笑った。



  身体の奥が焼け付くように熱くなり、飢え始める。
  リリィは足の先から頭の先まですべての感覚が鋭敏になり、自分が感じやすくなっていることに気付いた。
「……あぁ……んっ…はぁ、は……ぁ…ぅんっ……」
  悩ましげな声がとめどなく喉の奥から洩れてくる。
  ラミアスがさんざん舌で嬲った乳首の先に、ふっと息をかけられただけで身体がびくびくと震え、すぐにでもイってしまいそうだった。
「はぅっ……ん、ん……」
  背を反らすとさらに乳首を吸われ、足を閉じようとするとラミアスの奔放な指がヴァギナの奥深くに侵入してくる。
「すっごくキモチいいでしょ?」
  尋ねかけるラミアスの指使いが、早くなった。
  ぐちゅぐちゅと湿った音がリリィの耳にも届いてくる。
「やっ…ぁ……ああぁ……」
  リリィの足がかくかくとソファの上で不安定に揺れる。腰を前へ突き出すようにすると、ラミアスが膣壁を爪できりりと引っ掻いた。
「…ひっ……あ、ぁあ……んっ………!」
  リリィは大きく足を宙に突き上げて、イった。ヴァギナからはだらだらと愛液が流れ出し、ラミアスはそれを舌で掬い取り、清めてやった。
「ねぇ、よかった?」
  リリィの三角の繁を指に絡めて、ラミアスは尋ねる。
  リリィはまだ少し荒い息の下から、ラミアスを見上げ、言った。
「──…もっと……もっと、して……」



  リリィはラミアスに手を引かれ、別室に連れて行かれた。ラミアスは、この部屋は自分とナサニオのプライベートルームだと言った。
  リリィが固めのベッドに身体を横たえると、ラミアスは壁にかかった鞭を手に取り、リリィの腹を軽く打った。
「ひぃっ……あぅ…っ……!」
  身体を捩り、鞭から逃れようとするリリィの手足を、ラミアスは鉄のベルトで拘束した。
  ベッドの上で大の字になったリリィの股間は先程の情事でてかてかと光っている。いつの間に用意したのか、ラミアスがそこへ蝋を垂らすとリリィはすすり泣き、股間には次から次へと愛液が滲んできた。
「あら……もう欲しくなったの?」
  ラミアスが言ったが、リリィの耳には届いていない。ポタポタと股間に落とされる蝋の熱さを堪えるのに必死で、それどころではなかった。蝋がポタリと股間に落ちると、リリィは精一杯身体を捩って熱さから逃れようとする。そうすると蝋はリリィの肌を舐めるようにじわじわと熱を発散させながら、ヴァギナの奥へ入り込もうとするのだ。それを防ごうとするかのように透明な液がリリィの花園の奥から流れ出し、シーツにシミを作る。
  蝋がびっしりと膣の入り口にこべりつくと、ラミアスはそれをゆっくりと剥がした。
「わたしの可愛い子羊ちゃん」
  鞭を振るい、ラミアスは言った。
「特製の肉棒でアソコを×××してあげる」
  最初に飲まされた媚薬のせいで快楽の虜になってしまったリリィは、ぼんやりとした頭で必死にその言葉の意味を考えていた。
  ラミアスはリリィをそのままにして続き部屋になった隣の部屋へ入っていった。すぐに戻ってきたかと思うと、その手には鎖が握られていた。鎖は、ナウディス産の獣の首へと続いていた。獣は虎に似た姿をしていたが、虎よりも一回りは大きく、赤味がかった褐色の毛をしていた。
「さあ、わたしの可愛い坊や。この女を歓ばせておやり」
  獣はラミアスの言葉を待ち構えていたかのようだった。ベッドの上に飛び乗ると、リリィのそそり尖った乳首をざらざらとした厚い舌で舐めた。獣の唾液でリリィの乳房がべとべとになると、今度は股の間に鼻先を突っ込み、ぺちゃぺちゃと音を立ててヴァギナを舐め回し始めた。
「…っ……あぅっ……」
  獣のざらざらの舌は男の舌よりもごつく、リリィに快感を与えると同時に痛みをも与えた。が、獣の舌先だけでなく鼻先が膣の中へ入り込もうとした瞬間、リリィは無意識のうちに身体を反らし、さらなる快感を得ようとしていた。
  強引で性急な舌は、蜜を求めて膣壁を刺激する。ぴちゃぴちゃと湿った音がひっきりなしに聞こえてくる。ざらついた獣の舌に刺激される感覚にリリィは、頭の中がスパークしそうだった。
「……そろそろいいわ、坊や。突いておやり、この女のアソコを」
  ラミアスの一声で、獣は身を翻した。顔を埋めていたリリィの股間からすっとはなれると、ピンとおっ立てた一物を挿入しにかかる。人間の男のものよりも太くてごついものが、ずぶずぶと湿った音を立てながら激しく突っ込まれる。リリィは手を拘束しているベルトから続く鎖をしっかりと握り締め、身を切り裂くような痛みに耐えた。
「……あ…ひっ……!」
  突然、獣が激しいピストン運動を始めた。種の保存のためだけに交わる獣の激しい動きに、リリィは溺れそうになった。
「いい顔をしているわよ、子羊ちゃん。もっと、吠えて」
  ラミアスは鞭でリリィの乳房を二度、三度と激しく叩いた。白い肌には血がうっすらと滲み、みるみるうちに赤く腫れ上がった。
「心配しないで。わたしも一緒にイくからね、子羊ちゃん」
  リリィの乳首をきゅっとつまみ、彼女が痛みに身を捩るとラミアスはミミズ腫れのできた白い肌に優しく舌を這わせた。それからラミアスは身を離すと、鞭の先端部分を使って自身の身体を愛撫しだした。そしてもう片方の手でやはり自らの乳首や乳輪を弄くり、激しく揉みあげた。
「ぁん……あ……」
  ラミアスの右手がゆっくりと自身の股間に滑り降りていく。そこはじっとりと湿り気を帯びていた。リリィと獣の性交が、ラミアスのそこを潤わせていた。長い爪でラミアスはクリトリスを扱きながら、鞭の柄を膣に埋め込んでいく。
「ああっ……いい……もっと……もっと、激しくするのよ……」
  悦に入ったラミアスの声に、獣はさらに激しく腰を打ちつけた。リリィの悲鳴にも似た声が、部屋に広がった。
「いやぁ……!」
「いいわ、もっと……そう、もっとよ……」
  ラミアスは口早に言いながら鞭の柄でぐちゅぐちゅと膣内をかき混ぜた。どろりとした愛液が流れ出し、ラミアスの太股を伝い下りる。
「あっ、あ、あ、あ……いいっ………イく!」
  ラミアスの声に触発され、獣はリリィの膣内いっぱいに入り込んでいるペニスを内壁と子宮とに押し付け、腰をぶるぶると振った。
  リリィの子宮は今にも溶け出してしまいそうだった。焼けるように熱く、激しく、大きなものにぐちょぐちょにされた膣は、快楽だけを追い求め、獣のペニスにしっとりと吸い付いている。接合した部分に獣のふさふさとした毛が触れると、膣から流れ出たリリィの愛液と獣の唾液とがへばりつき、べとべとになってリリィの太股に擦り付けられた。
「……ああぁ……だめぇ……いやっ…やめ……て………壊れちゃうよぉ……」
  泣きながらリリィは叫んだが、腰は獣の動きを追い求めて激しく動いていた。股間では湿った淫猥な音がしている。
「あ……ぅんっ、…ふぁ……ああ……あ、はぁ……はぅっ………!」
  獣がひときわ大きく突き上げると、リリィはいっぱいに身体を反らし、イった。



(H13.10.10)
(H24.12.15改稿)



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ADULT-Novel